古橋文乃ストーリーズ〜流れ星のしっぽ〜

「ぼくたちは勉強ができない」のヒロイン、古橋文乃の創作小説メインのブログです。

[x]はチョコレイトより甘き愛の証明たるものである(中編)

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第三章

 

そのままの流れで、といきたいところ、少しだけ我慢。俺は自分のカバンにしのばせておいた避妊具を手元に用意する。なぜ持っているかといえば、男のマナーだと思っているから。決して、常にそういうことをしたいから、というわけではない。断じて。

 

さて。

 

俺と文乃は、文乃の一人で寝るには大きめなベッドの上で、座った姿勢で向かい合い、見つめ合っている。
「なりゆきくん……」
そう、文乃が甘い声で俺の名を呼ぶ。可愛い、とても……可愛い。自分の頭の中の冷静に考えるスペースがどんどん狭くなっていて。文乃の誘惑に、もう俺はくらくらしていた。
文乃、と愛しい人の名を呼んで、今日何度目かわからない、キスを交わす。キスによる心の熱はどんどん高まっていく。
「文乃、俺、もう……」
自分の身体が、本能最優先に舵を切った。俺は右手をそっと文乃の胸に伸ばし、触れて、そのままゆっくりと揉み始めた。はじめての感触……。女の子の胸は、こんなに柔らかいのだ。
「……んっ……。ちっちゃくて、ごめんね……」
と、小さな声で詫びる文乃。
「文乃の胸、柔らかくて、俺、大好きだよ……」
俺は文乃の目をまっすぐに見て、本当のことを伝える。文乃は少しほっとした表情になる。そして、俺の手に触られながら、小さく吐息を漏らしはじてていて。文乃の胸の突起が、存在を主張しはじめていた。俺はそれをそっと触る。
「あっ……んっ……」
文乃は身を捩る。
「文乃、ごめん」
俺の身体はもう、頭をおいてきぼりにして、走りはじめている。俺は文乃のパジャマをやや乱暴に脱がそうとして、それを察知した文乃は自分で脱いでくれた。目の前には、青色のレースが多めの可愛いブラジャー。しかし、鑑賞している余裕はない。俺はそっとブラジャーを上にずらす。
「……はずか、しい……」
「……!」
俺ははじめて女の子のおっぱいをこんな距離で見た。感慨深さなどもないことはないが、今の俺はそれどころではない。本能のまま、文乃の乳首に吸い付いた。
「あっ……!あんっ……!」
文乃が嬌声をあげ、その声で一層俺は興奮してしまう。そのまま、舌を動かして文乃のそれを刺激し続けた。
「ん……きもち……いい……」
そんな文乃の言葉があり、俺はもっと激しくする。右も、左も。片方は吸い付き、空いた方は手でしっかりと揉む。
「……ふふ。なりゆきくん、赤ちゃんみたい……。可愛いな……ひゃんっ!あっ、あっ……」
赤ちゃんにしては、かなり卑猥だけれど。俺は一層文乃を気持ちよくしたくて。文乃の秘部を、そうっと触ってみた。
「……あ」
「……んっ……!!」
ショーツとパジャマ越しだけれど、文乃のそこはしっとりと濡れていて。この下は、どうなってしまっているのだろう。
「恥ずか、しいよ……」
文乃は両手で顔を覆う。耳まで真っ赤だった。


「文乃、俺」


伝える。


「文乃が、欲しいよ」


気持ち、そのまま。


文乃は顔を覆ったまま。こくりこくり、と頷いてくれて、そして。

 

⭐️

 

もう、ずっと俺の男性器はがちがちのままだった。不慣れだが、なんとか避妊具を身につけて。ベッドに横たわる文乃のパジャマをそっと脱がす。そして、ショーツ。ブラとお揃いで水色のそれは、やはり可愛いらしくて、文乃のセンスの良さは、こんなところにもあらわれている。そんな素敵な女の子を、と考えるのはまた、興奮材料だ。

文乃の表情は、複雑なもの。複雑というのは、嬉しさがほとんどだが、少し不安でもある、というのが感じられる。女の子の初めて、なのだ。大切にしてあげなければ、と当たり前のことに気づく。

「文乃……」
と囁く。
どうしたの?とこちらを見る文乃に、俺はキスをする。ライトなものだけではなくて……舌をからませるキスまで。
「……っはあ……」
一通りキスを丁寧にして、俺は文乃に笑いかけた。大切にするから、と。少し安心した表情になった文乃はうん、と大きくうなずいてくれた。

 

いよいよ、だ。俺は、爆発寸前で張り詰めたように硬直している自分の男性器を、文乃とつながるために挿入しようとする。しかし、いかんせん初めてなのだ。要領を得ない。あれ、と焦りかける俺の様子に気づいたのか、文乃がそっと俺の手をとって、勇気づけてくれる。大丈夫だよ、と。俺と文乃は、手を繋ぎあったまま。それで、俺は肩の力を抜くことができた。落ち着いて。そして。

「……あ……!」
文乃の秘部を探しあて、少しずつ、少しずつ、俺は自分のものを入れていく。
「……っ……!」
女の子の初めては、痛いものだ。そのことは、知識としては知っていた。目の前の大好きな彼女が苦しそうなことが、何より物語っている。きつい膣内、文乃が辛そうなまま、進んでいいものか、少し迷い、それが文乃に伝わったのか。
「だいじょうぶ、だから……!お願い
、なりゆきくん……!」
決して痛くないはずがないシチュエーションなのに。文乃の強い眼差しと、無理につくってくれている笑顔。その根底には……。俺への想いと、信頼があるはずで。応えないわけにはいかない。

文乃、いくよ。そう、心の中で唱えて、ぐっと腰を一息に押し出した。


「〜〜〜………………!!!」


声にならない「声」を文乃があげる。辛そうな表情でもあり。果たして、文乃は大丈夫、だろうか……?心配になり、文乃に声をかけようとした、その時。

 

文乃の頬を、一筋、二筋と、涙が綺麗な曲線を描いて流れ落ちていく。まるで、流れ星のしっぽのように。


「文乃、痛いか!?だいじょ……!」


皆まで言わせず、文乃は大きくぶんぶんと横に首を振る。


「違うの……。違うの、なりゆきくん……」


「……ひっく……。ううっ……」


文乃の泣き声が響く。でも、それはネガティブなものではない。嬉し涙、だ。温度で直接つながってくる、文乃の心。それがわかった。


「嬉しい、の」


文乃は、涙を拭う。痛みも残っているだろうが、それでも精一杯の笑顔を浮かべてくれながら。


「愛している人と、ひとつになれているんだよ。心と心が、もっともっとつながった気がするの」

 

 

「幸せ、でっ……!」

 

 

また、文乃が涙ぐむ。

 

「……ありがとう……!」

 

俺はその言葉以外、今は言えなかった。ここまで好きな女の子に想ってもらえている男など、いるはずがない。俺だって、幸せでたまらなかったからだ。心の中の文乃への愛の炎が、より強くなった。いや、より違う炎に生まれ変わった、というべきか。愛しい彼女。少しずつ痛みも和らいできたのか、さっきよりも自然に、にこっと文乃は綺麗に笑ってくれた。

 

「成幸くんを、愛してる」

 

そう伝えてくれて。俺は愛しさが募りすぎてたまらない。今は、尚更危険だった。
「……あっ」
俺の男性器は、より一層力が入ったようで、ぐぐっと、文乃の中でまたかたくなったことがわかった。
「なりゆきくん、動いてみて……?わたし、なりゆきくんに気持ちよくなってほしい、な」
と、文乃はそんな言葉をかけてくれる。恥ずかしくないはずがないだろうが、文乃は俺を見つめてくれたままだ。俺はこくりと頷き、身体を前後に動かしはじめる。
「……んっ……!」
「……どう、だ?……」
当たり前だが、全てのことがわからない。どれぐらいの強さと速さで動いたら、文乃を感じさせることができるのか。2人で一緒に気持ちよくなれるのか。女の子の表情から、何を読み取ればいいのか。いきそうになったら、我慢したのうがいいのか。そんなことなどなど、だ。だけど、そんないろんな考えは吹き飛んでしまった。
「なりゆきくん、キス、してっ……」
とねだる文乃とキスをする。すぐに、舌を絡めあう情熱的なものになり、その間をぬって。


「なりゆきくんだから……わたし、めちゃくちゃにしてほしい……」


と、ささやかれ。同時に、俺のものは文乃にきゅっとされる。正直、自分がいま気持ちいいのかどうか、文乃がいま気持ちいいのかどうか、考える余裕は一気になくなった。抱きたい、抱きたい、もっと、抱きたい。文乃の顔は真っ赤で、瞳はうるんでいて、でも、期待感に満ちていて。

 

愛を証明しよう、と思った。

 

「……はあっ、んっ……あんっ!」
腰を少しずつ大きく動かして、文乃を突き始めた。意識せずとも、自然にスピードは速くなってしまう。

 

文乃がみだれはじめていた。唇を噛んで、なんとか自分の声を押し殺そうとしているのだが。


「……んっ……!んんっ……。あっ……」


その様がたまらなく色っぽい。俺自身も、快感をはっきり感じる様になり、行為に及びながら息が荒くなってきた。こんなにも、気持ちよくなってしまうものなのか……。同じように、文乃にも感じて欲しい。その一心で、腰をふり続ける。文乃の理性を壊しもしたくて、さらにみだれる文乃を……みたい。
「……っっっ!ああっ……、だめっ、だめなのっ……!」
「ふみの、きもち、いいか?」
問うと、文乃は両掌で顔を覆ってしまう。俺は、少し文乃をいじめたくなり、一層ピストン運動を大きくしていく。文乃は、大きく何度もうなずき、俺は文乃の顔を見たくて手をどかす。
「きもちっ……いいよ……っ、なり、ゆき、くんっ……!すきっ、すきっ……」
そこには、可愛いすぎるお姫様がいた。文学の森の眠り姫と称されていた、お淑やかで清楚、高嶺の花。そんな美人が、今は俺のものに貫かれながら、こんなにもみだれているのだ!その事実だけで、俺の男性器は血の巡りがよくなり、更に硬く、大きくなっていく。
「はあ……どうしよう……声が、でちゃう……はずか、しいっ……ああっ、あんっ、なりゆきくんっ……!」
表情は嘘をつかない。初めてみる、快楽に染まった文乃のいやらしい顔だ。美しいけれど、艶かしい。美人だから、余計にだ。俺しかしらない、文乃。
「ふみの、ふみのっ、ふみのっ!」
俺も文乃の名前を呼びながら、腰を振る。文乃のことしか考えられない……!文乃がさらにみだれようとしていて、そこで……。
「……あ!?……」
射精感が一瞬で暴発してしまい、俺の男性器から白い液体が大量に飛び出していく。ゴムはつけているので、その中におさまりはするのだが。びゅるっ、びゅるるっと、自分でも驚くほどの量が出た。
「……??」
息も荒くなっていた文乃が、動きを止めた俺を不思議そうに見ていて。
「……ごめん。先にいってしまった……」
最初、文乃はぴんときていなかったが、すぐにわかったのか、顔を赤くする。でも、にっこりと天使のような笑顔を浮かべ、
「よかった。成幸くんが、気持ち良くなってくれて……」
と健気に笑ってくれたのだった。

 

⭐️

 

シーツには、わたしの処女の証明である少量の血と、成幸くんがわたしの身体でだしてくれた精液がこぼれていて、独特の匂いになっていた。これが、男女の営み……セックスの匂いなのか、と思った。

 

初めてで……無我夢中だった。やはり痛かったけれど……少しずつ慣れてきて。後半のほうは……気持ちよかった、と思う。ひとりでするのとは、全然違う。

 

成幸くんも、わたしも、肩で息をしていた。うまくできたのかどうかは、わからない。でも、成功かどうか、なんてどうでもよくて。心だけじゃなくて、身体もつながり。そして、その上でやっぱり、心のつながりもあるから気持ちよくなる。これを証明できたのだから、それで十分だった。

 

わたしは、わたしに覆い被さっている成幸くんに抱きつく。
「……!どうした、文乃……?」
といいながら、成幸くんはわたしの背中に手を回してくれて。2人で抱き合いながら、ベッドに横たわる。
「嬉しいんだもん。好きな人と、抱きあってるんだよ……?こんなに素敵なこと、なんだね……」
成幸くんの耳元で、心からの言葉を伝えた。
「すき、すき、だいすき……!」
成幸くんへの気持ちが、とまらない。もっと、もっと、もっと、伝えたくて……!
「文乃……!……あ」
突然、成幸くんが気まずそうな声をあげて。どうしたの、と問いかけて、わたしもその事象に気が付いてしまい、真っ赤になる。成幸くんのものが、また大きくなっていたのだ。

 

「もういっかい……しよ?」

 

わたしははずかしくてはずかしくてたまらなかったけれど……今の自分の心を誤魔化したくはなかったから。成幸くんと目を合わせて、はっきりと伝える。
ん、と。成幸くんの答えは、燃えるようなキスのプレゼント、で。それは間違いなくOKの合図。

 

そうして、わたしたちは再び、お互いの愛の証明を、するのだった。

 

(後編に続く)

 

 

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