一言総括。夢はいつか覚めるもの。
古橋文乃はいっしょにいたい
冒頭、文乃はチョコづくりに誘われます。今はきっと、自分の怪我している間だけ一緒にいてくれる成幸。
自分のチョコ作りの成否によっては、もしかすると、もう少し一緒にいられるかもしれない。
こんなこと、普通の恋する女の子ですから、どれだけ思ったって許されると思います。甘い、恋の、夢です。
古橋文乃は言えていない
案の定、というか。うるかや理珠の成幸への想いを知っているが故、成幸の通い婚のことは伝えられていない様子。旅館回などなど、文乃は内緒にしたがる。一方、もう1人の当事者、成幸はなにも気にしていない。
そのギャップは、面白くもありつつ。文乃サイドの気持ちを考えると、寂しくもなります。
成幸が、異性として意識しているかしていないかでいうと、意識していない。そちらに矢印が振れていることがわかりますから。
古橋文乃の、「本音」
わたしは…
わたしは…
大好きな人に渡して
思いっきり気持ちを伝えることができたら
どんなに素敵だろうって 思うな
うん。さとうは涙腺が爆発しそうでした。
これは、今の文乃が。
『できないこと』
だから。
できないことがわかりつつ、それでも、気持ちを伝えたい。
結ばれたい、までいかなくてよくて。ただ、ただ、それだけで、いいの。
そんな想いがひしひしと伝わってきて…。
この切なさが文乃の恋の一端だということは、否定できない。だから…さとうには、辛いのです。
古橋文乃は甘い眠りから覚める
うるかの決意。受験が終わったら、好きな人=唯我成幸、に思いっきり告白することを、文乃は聞く。そして、同じように、思い人のことをいきいきと話す理珠の表情。見てしまう。
響くなぁ…
わかってたはずなのに
ああ
わかってたはずなのに
改めて思い知る
こうして2人でいられる時間は…
もうすぐ終わりなんだってこと
受け止める文乃の、少し想いを押し殺しながらの笑顔。
そして、ラスト。つくったチョコを隠すようにポケットに押し込める。
成幸と2人並んでいながらも、寂しそうな背中を。
眠り姫は、甘い夢を見ていました。
好きな人が、隣にいてくれる幸せ。それがずっと続いてくれたらいいのに。そんな、普通の女の子が抱くような、当たり前の夢を。
だけど。大切な友達たちが。あえてこういう言い回しをします。
眠り姫の夢を、壊す。
そして、眠り姫は目覚めざるをえない。大切な友達が、幸せになることを祈りながら。
問136でも、タイトルにありましたよね。眠りの果て、と。それにかかっているようにも思うのです。
成幸と文乃。2人の甘い夢は。
いつまでも、いつまでも、続きはしなかった。めでたしめでたし、とはなりません。
チョコの行方
文乃が一生懸命つくったチョコ。ラストの意味ありげなチョコのアクションなどを見るに…。渡さないかもしれませんね。
古橋文乃の恋の成就の難易度
回を追うごとにさとうは思ってしまう。文乃√なのに。真綿が首を絞める感覚が、消えない。古橋文乃の恋は、成就するのだろうか、と。
恋の成就とは。
好きな人ができる。
好きな人に思いを伝えるor伝えられる。
好きな人と結ばれる。
文乃の場合は…これに加えて、友人たちとの関係もある。
文乃が成幸に思いを伝えられるイメージが湧かないんです、今のままでは。
そして、恋の相手型の気持ちだってとても重要。成幸は。文乃が好きなのだろうか…?いまだ、まったく読み取れません。女の子として意識はしている。だけど、それ以上かといわれると…。うーん。
いまさら何か問題が起きて2人で解決、というのにも時間が足りない…。
毎度述べている気がしますが。さとうは焦っています…。
エキストラハードモードなの?
古橋文乃の「応援」
文乃は、うるか、理珠の恋にまつわる応援をしています。それ自体に偽りなどない。彼女の優しさは本物だから。
問題はなかったはずでした。
同じ人を好きになりさえしなければ。
このシンプルな構図が、文乃を苦しめ続ける。周囲から見ていて、辛いほどに。
応援するということが、呪いのようになっています。
すればするほど、自分の想いを押し殺しにかかります。自分の想いだって、嘘ではないし、日々募っているものなのに!
それでも。文乃は応援し続けるスタンスを崩しそうにはない。
うん!応援してるからね!がんばってうるかちゃん!
わたしには辛いですよ。この言葉が。応援しながら血を流しているようにさえ見える、眠り姫の姿が。
古橋文乃の恋の終わりとは
文乃の恋。ハッピーエンドで終わってほしいのが、さとうの願いです。それはそう、ずっと応援しているのは、そのため、でもあるのだから。
だけどですね。
文乃本人が考えている、恋の終わり。それはどうなんだろうか。そんなことも考えてしまうんです。
うるかが、もしくは、理珠が。成幸と両想いになれば。文乃は、綺麗に、身を引くでしょう。
少しの成幸への想いを胸に秘めながら、そのことはおくびにもださずに、みんなとの緩やかな友情関係を、続けていくんでしょう。うるか√最終話で、示唆されたように。
つまり、言い方を変えると。うるかや、理珠が、先に成幸に告白するのであれば…ほぼ、文乃はいま以上のアクションもしないのでは、という推測をしてしまうのです。
先の話とも関わりますが。文乃の恋はいろんな要素が複雑に絡みすぎていて。難易度が高くて。先が、全然、読めない。
うむむ。うむむむむ。
悩みながらも。
この項、以上です。
おまけ
零侍と成幸仲がいいな!
零侍からすると、すでに成幸をある程度認めているようには見えますね…